犬がクンクン鳴くのはなぜ? 伝えたいことと、気をつけたいとき

犬のクンクンという鳴き声は、わたしたちに何かを伝えようとしているサインです。理由はひとつではありません。何を言おうとしているのかが分かると、応えてあげられます。
いちばん多いのは「かまってほしい」
ごはんがほしい、トイレに行きたい、ボールを投げてほしい。多くのクンクンは、こうした要求です。
犬は人と関わることが好きな動物です。「こっちを見て」という気持ちも、そのまま鳴き声になります。
退屈からくるクンクンもあります。散歩、遊び、知恵を使うおもちゃ、しつけの練習。体と頭の両方を使う時間が足りていると、ずいぶん減ります。
要求のクンクンに、すぐ応えないほうがよい理由
鳴いたらすぐ抱っこしたり、おやつをあげたりすると、「鳴けば叶う」と覚えます。そのあと鳴き方が強くなっていきます。
静かになった、その瞬間にほめてください。「静かにしていたらいいことがある」と伝わります。
ただし、これは要求のクンクンに限った話です。痛みや不安からのクンクンを無視してはいけません。次からの見分け方をお読みください。
不安や怖さからのクンクン
雷、花火、知らない場所、生活のリズムの変化、留守番。こうしたことがきっかけになります。
不安なときは、鳴き声のほかにもサインが出ます。
| サイン | ようす |
|---|---|
| ドアを引っかく | 外に出たい、ご家族を探している |
| 行ったり来たりする | 落ち着ける場所が見つからない |
| 粗相をする | いつもはできているのに失敗する |
| 同じ動きをくり返す | 体をしつこくなめ続けるなど |
| 物を壊す | 家具をかじる、クッションを破く |
安心できる場所を1か所つくる
家の中に、その子が逃げ込める場所を用意してあげてください。人の行き来が少ない、静かな一角がよいです。
いつも使っているクレートやベッド、お気に入りのおもちゃを置きます。そこに入っているときは、ご家族もそっとしておいてください。
雷や花火の音が苦手な子には、カーテンを閉めて外の音を減らし、静かな音楽などを小さくかけると和らぐことがあります。
ご家族が慌てないことも大事です。毎日の流れが決まっていると、犬は次に何が起きるか分かって落ち着きます。
痛みや具合の悪さを伝えていることがあります
いつもと違うクンクンは、体の不調のサインかもしれません。
とくに、急に鳴くようになった、鳴き続ける、食欲や元気がない、動きたがらない、といったことが重なるときは、かかりつけの獣医師にご連絡ください。
年齢を重ねた犬では、目や耳が弱ってきて不安になったり、認知機能の衰えから落ち着かなくなったりして、鳴くことが増える場合があります。「歳だから」で片づけず、一度診ていただくと安心です。
子犬が夜に鳴くとき
迎えたばかりの子犬が夜に鳴くのは、よくあることです。お母さんやきょうだいと離れて、ひとりで眠ることに慣れていないからです。
ただ、夜鳴きのすべてが寂しさとは限りません。子犬はまだ長い時間おしっこを我慢できないので、本当にトイレに行きたいだけのこともあります。
クレートを「閉じ込める場所」ではなく「安心できる場所」として少しずつ慣らしていくと、夜も落ち着いて眠れるようになります。
犬は涙を流して泣くの?
クンクン鳴く、鼻を鳴らす、遠吠えする。そういう意味でなら、犬も泣きます。
ただし、うれしい・悲しいといった気持ちで涙が出ることはありません。犬の涙は、目をうるおして守るためのものです。
涙が多い、目のまわりが茶色くなる(涙やけ)ときは、涙の通り道が詰まっていたり、まつげやまぶたの形が関係していたりします。目が赤い、しょぼしょぼさせる、腫れている、黄色い目やにが出るときは、受診をおすすめします。
寝ながらクンクン言うのは、夢を見ているのかも
犬にも、人と同じように浅い眠りと深い眠りがあります。浅い眠りのときに夢を見ていると考えられていて、鼻を鳴らしたり、足をぴくぴく動かしたりします。
子犬によく見られます。脳や神経が育っている途中で、眠る時間も長いためです。
ほとんどの場合、起こす必要はありません。ただ、よだれが大量に出る、息が苦しそう、体が激しく動く、おもらしをするといったときは、別の原因が考えられます。動画を撮っておいて、獣医師に見ていただいてください。
集合住宅にお住まいのご家族へ
クンクンがやがて吠えに変わると、ご近所への気づかいが必要になります。
留守番中に鳴いているかどうかは、ご家族がいると分かりません。出かけるときにスマートフォンで録音や録画をしておくと、本当のようすが見えます。
鳴き続けているようなら、留守番の時間を短いところから練習し直してください。それでも変わらないときは、不安が強いのかもしれません。かかりつけの獣医師か、犬の行動にくわしい専門家にご相談ください。


